「目先の野球」に拘泥する指導者に未来はない

サンスポ ヤクルト・高津監督、セ・リーグのDH制導入について「神宮球場を本拠地としている監督としては反対です」 セ・リーグのDH制導入の議論は、プロ野球の今後10年、20年、50年の議論である。 「神宮球場を本拠地としている監督としては、DHには反対です。外にブルペンがある神宮では、誰が代打とか。相手のブルペンを見ながら作戦を立てていくこともすごく面白い。DHがない方が神宮の楽しみ方はできるのかなと思う」 DH制導入の是非の話を「一球場の興味」レベルで話すとは、あまりにも細かすぎる。 そもそも、神宮球場は老朽化と、周辺施設の再整備によって、間もなくなるなることが前提になっている。そのことさえ、視野に入らないのは情けないとしか言いようがない。 野球界では、こうした近視眼的な視点が「現場の声」のように取り上げられることが、往々にしてある。 高校野球では「球数制限」議論の時に 「球数制限をすれば、投手を複数揃えられる有力私学が有利になる」という「甲子園の名将」がいた。 施行してしばらくはそうかもしれないが、数年も経てばそのルールによって、高校球界の投手起用は変わっていくものだ。事実そうなった。 「DH制」でも、導入すれば、当然セ・リーグの「勢力図」は変わるだろうが、だから反対というのはナンセンスだ。 DH制導入は、今後数十年のプロ野球の将来を左右する大きな制度改革だ。自分たちは、それを決定する任を担っているという「責任感」がみじんも見られない。 要するに「既得権益」の保護のために、改革に反対する「守旧派」の理屈である。そういうことを言いだせば、深化も進歩もない。 高津臣吾は、野球界の未来を考えるべき立場の野球人である。彼のこの発言は、指導者としての「視野の狭さ」を自ら露呈したと言っていい。残念の一語だ。 私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください! ↓ 好評発売中! https://amzn.to/47hJdhC 2021年山本由伸、全登板成績【投手五冠にリーグ優勝に金メダル】