NPBは「中小企業」なのよ!
NHK
プロ野球選手会 リクエスト制度 “判定を第三者機関に”
日本のビデオ判定システムは、MLBや、それに追随したKBOのそれとは似て非なるものになっている。
目的は同じだ。
「微妙なプレーに関して、その場で画像、映像で判定する」というものだ。
北米四大スポーツでは21世紀以降、導入が進んでいたが、MLBは2008年8月、最後に導入を決めた。当初は「本塁打」だけであり、しかも審判が自身の判断でビデオ判定を採用する、というものだった。
2014年からは球団がビデオ判定を審判に求める「チャレンジ制度」になった。
NPBでは、2018年からMLB同様、球団が審判にビデオ判定を求める「リクエスト制度」が導入された。
いずれも、チームから要請があればプレーが中断され「リプレー検証」が行われる。
最大の違いは、MLBの場合、各球場に「ビデオ判定専用のカメラ」を設置していることだ。この映像をニューヨークに設置された専用のスタジオに送って、担当の審判員がこれを判断する。
これに対してNPBでは、テレビ局が試合中継用に設置したカメラを「使わせてもらって」その場で審判が映像を確認している。
今のNPBでは、パ・リーグの全試合はパ・リーグ6球団が出資して設立した「PLM(パ・リーグマーケティング」が運営するパ・リーグTVが全試合中継をしている。この画像を利用する。セ・リーグは民放各局の画像を利用する。
しかしテレビ局のテレビは「ビデオ判定」のためではなく、テレビ放映用なので、決定的瞬間をすべてとらえているとは限らない。また、その場で判定の当事者である審判が判断するので、判定が客観的、公正なものとは限らない。
だから選手会からリクエスト制度 “判定を第三者機関にと言う声が出ているわけだ。
しかし、NPBは、そうした「第三者機関」を設立するだけの経済力はない。そもそもビデオ判定を「テレビ局の好意」に頼って、自前のカメラさえ持っていないのだから。
MLBは、2022年から「ビデオ判定」に、ホークアイを利用している。MLBではオンタイムでのデータ解析システム「スタットキャスト」を導入していた。この基幹となるトラッキングシステムは弾道測定器「トラックマン」を使用していたが、2022年から「ホークアイ」に換装した。
「ホークアイ」はもともとテニスやサッカーなどで「ビデオ判定」に使われていたので、MLBでも「スタットキャスト」だけでなく「ビデオ判定」にも利用することにしたのだ。
「ホークアイ」では、画像を瞬時にCGに加工し、微妙なプレーをCGで判定することができる。MLBの「ビデオ判定」のクオリティは飛躍的に上がった。
「ホークアイ」と「トラックマン」
実はNPBでも昨年から「ホークアイ」が12球団の本拠地球場で使用されている。
選手会の要望はそれをもとにしているのかもしれないが、NPBの「ホークアイ」は各球団が設置したもので、NPBのものではない。
民放のテレビ映像を「使わせてもらった」ように、「ホークアイ」の画像も提供してもらえばいいのかもしれないが、各球団は「ホークアイ」で敵味方の選手のリアルタイムのデータを採取している。
その間隙を縫って「ビデオ判定」に利用するのは簡単ではないだろう。その上地方球場には設置していない。
「ビデオ判定システム」はMLB同様、NPBが自前で構築すべきなのだ。しかしNPBは、NPB12球団より売り上げ規模が小さい「中小企業」であり、トップのコミッショナーさえ非常勤なのだ。
この問題をクリアしない限り、MLB並みの「ビデオ判定システム」など、夢のまた夢だといえよう。
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