先発投手の球数は着実に減っている
2015年と24年のNPB全先発投手の球数の平均を出してみた。 2015年と2024年の球団別の先発投手、平均投球回数、平均球数、その増減%について出した。 今から10年前の2015年は、先発投手の球数が平均で100球を超すチームが阪神、広島、ソフトバンクと3球団もあった。 阪神の監督は金本知憲、広島が緒方孝市、ソフトバンクは工藤公康だった。先発投手の球数を決める要因は、第一に監督(の方針)、第二にそのチームの投手事情ではある。 後述するが、この3球団は球数を投げても使いべりしない(と思われていた)先発がいたのだ。 しかし、2024年は100球以上投げさせたチームは皆無。最多は西武で97.2球、DeNA、ヤクルトの2球団は90球を割り込んでいる。これも指揮官の方針と、チームの投手事情によるが、この9年間で多くの球数を投げる投手はさらに減っているのは間違いない。 それだけに巨人の戸郷翔征の球数が異様なものに移るのだが。 ただ、子細に見ると、セ・リーグの全チームが9年間で平均投球回数も、投球数も減らしているのに対して、パ・リーグは球数は全球団で減っているが、投球回数は日本ハム、ロッテ、西武で増えているのだ。 つまりイニング当たりの投球数が減っていると言うことになる。 セパともにイニング当たりの平均投球数は減っているのだが、パの投手の方がその減り方は顕著だ。これは投手の技術が向上して、ストライク先行で投げられるようになったことを意味するのではないか。 次に2015年と2024年の「先発投球数10傑」を見ていこう。 2015年 1位はソフトバンク東浜巨、150球以上投げた投手が4人いる。また阪神の投手が4人(うち3回は藤浪)、中日が3人(大野が2回)、ソフトバンクが2回、西武が2回と多くの球数を投げさせる球団は決まっている。これはそのチームの監督の方針だと言うことだろう。 今の藤浪の苦境は、明らかにこの時期の「酷使」に端を発していると思う。 2024年 140球以上投げた投手はいなかった。阪神の村上が2回出てきているが、あとはばらけている。球団も比較的ばらけている。 いろんな考え方の監督がいるだろうが、いまどき140球投げさせても良いと考える指揮官はほとんどいないと言うことか?ただ今年から阪神の監督になった藤川球児は球数を投げさせそうなイメージがあるが。 先発投手の投球の目安とされる「1イニング15球」で完投すれば135球になる。