しんみりした時間

昨日はマツダスタジアムで広島ー西武の交流戦を見た。その前日まで、ソフトバンクー中日3連戦をペイペイで見ていた。中日が気持ち悪いくらい弱くて、凡戦続きではあったが。 ペイペイの3連戦の初日に、長嶋茂雄の訃報が流れたのだが、ソフトバンクの3試合は、何もイベントらしきものはなかった。パ・リーグということもあるが、対戦相手は中日だから、何かあっても良いと思った。 マツダスタジアムに行くと、日の丸やNPB、各球団旗が真ん中までしか上がっていない。 はて、これは半旗なのか、と思った。 果たして、試合直前、国歌演奏の前になって場内アナウンスが「先日亡くなられた長嶋茂雄氏に哀悼の意を評して黙とうを致します。ご脱帽の上、ご起立ください」となった。 観客席が立ち上がって、一斉に頭を下げた。黙とうは1分だったと思うが、ずいぶん長く感じた。 真っ赤なカープのユニフォームの面々も、神妙に頭を垂れている。 こうしたセレモニーは主催チームの判断によるのだろうが、あった方がいいよな、と思う。 私も、多くの観客も、長嶋茂雄とは「ファンと大スター」という関係で、平たく言えば縁もゆかりもない。球場にいるのは大部分が広島ファンで、あとは西武ファンがいるだけ。巨人は遠い存在ではあろう。 また、長嶋茂雄は、50年も前に引退した野球選手で、指導者としても20数年前に退いている。 まさに伝説の存在。今の世代にとってはメディアでその名を目にするだけで、親近感もないかもしれないが、野球史を考えるうえでは、長嶋茂雄以上に偉大な選手などいない。 「黙とうをする」と言う行為は、長嶋茂雄と、彼によって日本のナショナルパスタイムになった「プロ野球」にたいする感謝と敬意を表している。参加できてよかったと思った。 私のすぐ前に座った夫婦連れは、周囲が立ち上がっても座ったままで、小太りの奥さんはうどんをすすりながら、周囲が黙とうするのを見ていた。奥さんは大瀬良大地のユニフォームを着ていたから広島ファンなのだろうが。 どういう神経なのかわからないが、ただ、同調圧力で立って黙とうしたって仕方がないとも思うので、こういう選択肢も「あり」だとは思う。 私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください! ↓ 好評発売中! https://amzn.to/47hJdhC 2023年森原康平、全登板成績